下血(血便)
2017年10月22日
下着に血液が付いていたりするとビックリですよね。痔からの出血や、特に女性なら、生理時以外の出血(不正出血)があります。ただし少量で一度きりなら、単に肛門や外陰部の粘膜の傷で、経過観察だけでOKです。
しかし、2度以上続いたり、排便時にも新鮮な赤い血液が便に付着したり、おりものが普段と違ったりするなら、ぜひ、当科担当医にご相談ください。
一般に新鮮な血液の付着便(鮮血便)なら痔が多く、不正出血なら生理不順、膣や子宮の病気などがあります。
排便と一緒に血液が排泄される状態を下血(または血便)と呼び、便の状態により、ある程度の出血箇所(図1参照)を推測することが可能です。
- タール便(ノリの佃煮状の黒色便):食道、胃、十二指腸などからの出血
- [胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど]
- 赤色調便(赤色調の血液の混在した便):結腸、直腸、肛門などからの出血
- [大腸ポリープ、腸憩室、大腸がん、虚血性大腸炎など]
- 鮮血便(新鮮な血液の付着便):直腸、肛門などからの出血
- [痔、肛門粘膜裂傷など]
- 粘血便(血液と粘液の混在した便):回腸、結腸、直腸などからの出血 [クローン病、潰瘍性大腸炎など]
便に血液が含まる下血か否かは、便潜血検査(図2のように自宅で便を採取して提出)で簡単にわかります。診断や治療方針も含め、ぜひ、当科担当医にご相談ください。